結論から言うと、科目Aの入門書としては悪くありません。ただし、科目Bの対策はこの本だけではまったく足りません。
これは、基本情報技術者を独学3冊だけで合格した体験記で紹介した3冊のうち、1冊目に使った「いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集」(高橋京介著)だけを深掘りしたレビューです。
非エンジニアの僕が実際に読んで感じた良かった点・不満だった点を、包み隠さず書いていきます。なお、巻末の出る順問題集についてはほとんど手をつけなかったため、この記事では評価対象にしていません。
なぜこの本を選んだか ― 表紙と「絶対合格」の煽り文句に惹かれて

本屋で見つけて、そのまま購入しました。決め手は表紙です。「絶対合格の教科書」という煽り文句、「最新の傾向と対策」という帯、そして「いちばんやさしい」というタイトルそのもの。非エンジニアの自分には、どれも刺さる言葉でした。
正直に言うと、よく見返すと「これ1冊で合格できる」とはどこにも書かれていません。でも当時の僕は「絶対合格の教科書」という煽りを見て、勝手に「このテキストさえあれば合格できる」と思い込んでしまっていました。今思えば、ここが最初のつまずきポイントだったと思います。
どんな本か

使ったのは令和6年度版です。構成は序章+1章〜22章。基礎理論からはじまり、プログラミングとアルゴリズム、プロジェクトマネジメント、法務まで、科目Aの出題分野別に章が分かれています。各章はさらに「01-03」のように細かく項目分けされていました。
序章にはCBT方式や科目A・科目Bの試験形式についての説明もあり、「最新の試験制度にちゃんと対応してるんだな」と、その点では安心して読み進められました。
ただ、最後まで読み進めると、その安心感は少し裏切られることになります。22章、つまり最後の1章が科目Bの解説にあたるのですが、内容をざっくり要約すると「とにかくIPAが出しているサンプル問題を解こうね」というものでした。
購入した時期と実際に使った量
この本を使っていたのは2024年12月〜2025年5月ごろまで。1日最低10ページ、調子が良ければもっと読み進める、というペースで通読しました。
序章に「まずは軽い気持ちで通読するのがおすすめ」と書かれていたこともあり、巻末の出る順問題集にはあまり時間をかけず、そこに時間をかけすぎるくらいなら全体を読み終えることを優先しました。
結果として、出る順問題集はほとんど手をつけないまま、通読1周で読み終えた形です。
良かった点

正直に言うと、わかりやすいところもあれば、わかりにくいところもあった、というのが率直な感想です。特に基礎理論は数学の知識が前提になる部分が多く、理解に時間がかかりました。スマホで都度調べながら読み進めた箇所も少なくありません。
一方で良かったのは、22章立て・各章がさらに「01-03」のように細かく項目分けされていた構成です。おかげで「今日はこの項目まで読み切ろう」という短い区切りでの学習がしやすく、毎日少しずつでも進められました。この本を最後まで読み切れたのは、この細かい章立てのおかげだと思っています。
不満だった点 ― 科目Bがほぼカバーされていない実態

一番の不満は、やはり22章(科目Bの解説)です。ここまで来て「IPAのサンプル問題を解こう」というだけの内容だったとわかったとき、正直かなりむかつきました。「いやいや、絶対合格じゃないじゃん。科目Bは自分で勉強してねって、どこが”いちばんやさしい”んだよ。だったら最初から科目Aと科目B両方をちゃんと解説しているテキストを買ったわ」と思ったのを覚えています(そんな都合のいい本があるかはわかりませんが)。
22章を読み終えてすぐ、科目B対策の本を探すことにしました。もう科目Aの解説は十分だったので、科目Bに特化していそうな本を探し、次に購入したのが城田比佐子さんの科目B対策本です。こちらは別記事で詳しくレビューしています。
結局どんな人におすすめか
※3冊トータルでの評価は、後述の合格体験記をご覧ください。ここではこの1冊単体としての評価です。
とりあえず科目Aの内容だけ先に固めたい、という人には向いています。ただし、科目Aと科目Bをまとめてしっかり解説してくれるテキストがあるなら、そちらを買ったほうが結果的に近道です。
そういう意味では、そもそもこの本単体はおすすめしません。少なくとも、この本1冊だけで合格を目指すのはやめたほうがいいです。
まとめ
「いちばんやさしい 基本情報技術者」は、科目Aの通読用としては悪くない本です。ただし、タイトルの「絶対合格」を鵜呑みにして科目Bまでこれ1冊で対策しようとすると、痛い目を見ます。
実際にこの本を含めた3冊でどう合格まで辿り着いたかは、基本情報技術者を独学3冊だけで合格した体験記に詳しくまとめています。
独学と講座、どちらが自分に合っているか気になる方は、独学とスクールどっちがいい?比較記事もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 何年版を選べばいいですか?
基本情報技術者試験は出題範囲・試験制度の変更が入ることがあるため、購入時点での最新年度版を選ぶのが基本です。僕が使ったのは令和6年度版でした。
Q. 科目Bはこの本だけで対策できますか?
できません。科目Bにあたる章は「IPAのサンプル問題を解こう」という内容にとどまっており、実質的な解説はほぼありません。科目B対策は別の教材を用意することをおすすめします。
Q. 電子書籍(Kindle)版はありますか?
僕は紙の本で購入・学習しました。紙のほうが学習しやすいと感じたためです。電子書籍版の有無は購入前に書店・販売サイトでご確認ください。
Q. 応用情報技術者試験用のキタミ式と比べてどうですか?
現在、応用情報技術者試験の学習でキタミ式イラストIT塾を使っていますが、キャラクターの掛け合いやたとえ話が多く、その分わかりやすく感じます。とはいえ、「いちばんやさしい」と比べて極端に大きな違いがあるとまでは感じていません。
この記事を書いた人についてはプロフィールページもあわせてご覧ください。Webセキュリティ企業でプリセールス・PMをしながら、非エンジニアの立場でIT資格に挑戦しています。2024年12月から独学を始め、2025年12月に基本情報技術者試験に合格(科目A690点・科目B640点)。現在は応用情報技術者試験とAWS認定クラウドプラクティショナーの学習を進めています。

