「基本情報技術者[科目B]」は科目B対策になる?正直に検証

「基本情報技術者[科目B]」(城田比佐子著)の表紙 資格

結論から言うと、科目Bの基礎的な理解を進めるにはとても良い本でした。ただし、これだけで科目B対策が完結するかというと、正直足りませんでした。演習量そのものは過去問道場でカバーする前提で使うのが現実的です。

これは、「初心者が合格できる知識と実力がしっかり身につく 基本情報技術者[科目B]」(城田比佐子著)のレビューです。いちばんやさしい単体レビューで書いた「科目Bの解説がほぼ『IPAのサンプル問題を解こう』で終わっていた」という不満を受けて追加購入した本になります。

なぜこの本を選んだか ―「いちばんやさしい」で科目B不足を痛感して

本屋の書棚の前で2冊の参考書を比較して選ぶ人物のイラスト
1冊目のテキストは科目Aの内容が中心で、科目Bの解説は最後の1章で「IPAのサンプル問題を解こう」と紹介する程度でした。もう科目Aの解説は十分だったので、科目Bに特化していそうな本を探しに、また本屋に行きました。

決め手はタイトルです。「基本情報技術者[科目B]」とタイトルにはっきり科目Bが入っていたので、科目Bに特化した内容だろうと判断しました。他の科目B対策本と比較検討するのが正直面倒だったので、本屋で見つけて目に入ったこの本を即決で購入しました。

どんな本か

確認したところ、初版でした。構成は序章+第1章〜第6章。第1〜3章がアルゴリズムとプログラミング、残りの第4〜6章が情報セキュリティという内訳です。

科目B(応用力を問う問題)の演習量は、体感としてそこまで多い印象はありませんでした。その代わり、1問1問をかなり丁寧に解説している本だと感じました。

購入した時期と実際に使った量

購入したのは2025年5月ごろです。使い終えたのはたしか7月ごろだったと思います。それ以降はずっと過去問を解いていました。

進め方は「1日1問は解く」と決めて、調子が良ければ複数問解く日もある、というペースでした。第1〜6章すべてを完璧に理解しようとしたわけではなく、一部は流し読みした部分もあります。1問1問きっちり完璧に理解するよりも、まずはひと通り解くことを優先していました。

良かった点

アルゴリズムとプログラミング(第1〜3章)は、各処理を身近なたとえに置き換えて説明してくれる箇所がわかりやすかったです。

1問1問の解説が丁寧なのもこの本の良さです。答えを提示するだけでなく、「なぜその答えになるのか」まで踏み込んで説明してくれるので、理解を深めながら進められました。

ただ、情報セキュリティにあたる第4〜6章は、テキストがなくてもほとんど解けてしまいました。※これは本の出来というより、仕事(Webセキュリティ企業でのプリセールス・PM業務)で得た知識のおかげで解けた面が大きかったです。この部分の解説自体のわかりやすさは、正直あまり評価できていません。

不満だった点

「基本情報技術者[科目B]」の厚さがわかる実写
演習量が多くないという点は、正直メリット・デメリットのどちらとも言えると思っています。量をこなしたいなら過去問題集をやればいいと考えていたので、演習量の少なさ自体はそこまで気になりませんでした。とはいえ、良かった点で触れた丁寧な解説とのトレードオフで、量を重視する人には物足りなく感じられるかもしれません。

もう1つ、アルゴリズムとプログラミングでフローチャートが長く複雑になると、理解に時間がかかりました。※この点は本の解説がわかりにくいというより、フローチャートのような処理・図そのものに慣れていない自分の経験不足によるところが大きいと思います。

結局、科目B対策としてこの本だけで足りるか

小さな本の山と、それよりずっと高く積まれた問題用紙の山を対比させたイラスト
正直に言うと、足りませんでした。当時は「基本情報技術者過去問道場」の存在をまだ知らず、3冊のテキストに載っている問題だけをこなしている状態でした。テキストに載っている問題は一部でしかないので、もっと幅広く過去問を解いておくべきだったと反省しています。

ただ、この本のおかげでアルゴリズムとプログラミングの「解き方」自体はかなり掴めました。そのおかげか、本番で見たことのない問題が出ても、ある程度応用を効かせて解けた実感があります。とはいえ、導き出した答えに自信は持てず、手応えのなさ自体は変わりませんでした。

結論としては、この本だけでは科目B対策は完結しません。過去問をたくさん解いて、いろいろな問題のパターンに慣れておかないと、本番はかなり厳しいですね。結果的に本番の科目Bは640点で合格ライン(600点)は超えましたが、正直ギリギリでした。この本で「解き方」のコツを掴めていなければ、もっと厳しい結果だったでしょう。

結局どんな人におすすめか

いちばんやさしい単体レビューと役割は近く、まずは科目Bの全体感や問題の考え方を基礎から理解したい人におすすめです。過去問道場は解説が簡潔すぎて「なんでその計算になるの?」となることが多いのですが、この本はどの問題も解説が丁寧なので、基礎的な理解を進めやすいと感じました。

役割分担としては、科目Aは「いちばんやさしい」、科目Bの基礎理解はこの本、そして演習量は過去問道場、という組み合わせが現実的でしょう。

まとめ

「基本情報技術者[科目B]」は、科目Bの基礎を丁寧に理解したい人には向いている本です。ただし、これ1冊で科目B対策が完結するわけではありません。実際にこの本を含めた3冊でどう合格まで辿り着いたかは、基本情報技術者を独学3冊だけで合格した体験記に詳しくまとめています。
独学と講座、どちらが自分に合っているか気になる方は、独学とスクールどっちがいい?比較記事もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 何年版がありますか?
僕が確認した範囲では初版のみで、いちばんやさしいのような年度改訂版は見当たりませんでした。購入前に最新の状態を書店・販売サイトでご確認ください。

Q. この本だけで科目B対策は足りますか?
足りません。基礎的な理解を進めるには良い本ですが、演習量が少ないため、過去問道場などでの追加演習が必須です。

Q. アルゴリズムが苦手でも読み進められますか?
身近なたとえを使った解説でわかりやすい部分は多いです。ただし、フローチャートに慣れていないと、複雑な処理の問題では理解に時間がかかることがあります。

Q. 情報セキュリティ分野は初学者でも理解できますか?
テキストの解説自体は丁寧です。実務でセキュリティに関わった経験がある人は、テキストなしでもある程度解ける内容だと感じました。実務経験がない場合は、テキストの解説を頼りに進める形になると思います。

Q. この本を使って結果的に合格できましたか?
はい。本番の科目Bは640点で合格ライン(600点)を超えました。ただし、ギリギリの点数で、手応え自体はありませんでした。詳しい経緯は基本情報技術者を独学3冊だけで合格した体験記にまとめています。

この記事を書いた人についてはプロフィールページもあわせてご覧ください。Webセキュリティ企業でプリセールス・PMをしながら、非エンジニアの立場でIT資格に挑戦しています。2024年12月から独学を始め、2025年12月に基本情報技術者試験に合格(科目A690点・科目B640点)。現在は応用情報技術者試験とAWS認定クラウドプラクティショナーの学習を進めています。

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